中国がベネズエラを見限る? / 中民投の社債デフォルト問題

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ベネズエラを見限る中国人、8万の華僑が国外へ脱出
日本政府、野党指導者のグアイド「大統領」を承認。渡航中止勧告

カラスではない。
ゴミ箱を漁って食糧を捜しているのはベネズエラ市民だ。食糧をめぐって殺人事件も、いまでは日常茶飯。スーバーの陳列棚から商品が消え、クスリは払底し、紙おむつが一パック=80ドル。放火、略奪、治安悪化、無法地帯を化して、およそ350万人がブラジル、コロンビアなどへ脱出した。

 

キャスター:福島香織・宮崎正弘

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華僑ははやくからベネズエラに溶け込み、とくに小売り部門、流通、そして金融にも進出していた。最盛期には40万人の中国人がベネズエラに移住していた。なにしろ中国の対ベネズエラ投資は200億ドル、融資額は500億ドル、原油価格暴落によって、利子の支払いさえ滞り、マドゥロ大統領が北京を訪問して追加救援融資を要請したが、中国は首を縦に振らず「中国はあらゆる協力は惜しまない」とリップサービルでおしまいにした。

中国人のうち、8万人がすでに中国へ帰国した。かれらは新移民だから、見切りをつけるのは早い。多くが広東省の開平周辺の出身者と言われる。このあたりは苦力(ク-リー)の輸出地でもある。

この国の正式名称は「ベネズエラ・ボルバル共和国」、国民はスペインを筆頭に欧州からの移民、その彼らと現地人との混血。ポルトガルとドイツ系も目立つ。ゆえに言語はスペイン語、宗教も99%がカソリックの信者である。一人当たりのGDPは6600ドルと報告されているが、フェイクに近い数字だろう。なにしろ輸出の96%が石油、最大の輸入先は中国だ。

2017年以来、各地で暴動が凶暴化しており、治安回復のため出動する軍隊はデモ隊を暴徒と規定してガス弾、催涙弾の水平撃ち、巻き込まれた市民の死傷者が多い。

そのうえベネズエラ政府は国境を封鎖し、米国の救援物資配送の妨害を始めた。七つある国境のうち、三つを封鎖したが、残りは開門している(といっても山岳地帯なので、エクソダスルートには入らない)。グアイド「大統領は」はコロンビアとの国境に出向き、米国からの支援物資を通すよう、警備の軍隊に呼びかけた。

日量337万バーレルを誇った原油生産は、現在150万バーレルに落ち込んだ。しかも原油代金は半減から三分の一、こうなるとハイパーインフレはとまらず、通貨は1000分の一にデノミをおこなっても実勢レートはもっと下落しており、事実上のドル本位制である。

欧米はニコラス・マドゥロ政権の退場を求め、「臨時大統領」を宣言したファン・グアイド国会議長を承認した。ラテンアメリカの殆どの国がやはりマドゥロ大統領の退陣を求めた。

▼カラカスの中国大使館、連日深夜の会議続行中

首都カラカスに各国の大使館がある。中国大使館は欧米、中南米諸国のマドゥロ政権への見限りを目撃し、国際外交での四面楚歌を怖れ始めた。つまり中国もマドゥロを見限り、グアイド大統領を承認するか、どうか、連日、北京と協議するために深夜の会議が、緊張した環境のなかで続けられているのである。

日本政府は、2019年2月19日に、グアイド大統領を承認した。ここまで状況が激変すると、マドゥロ政権を承認しているのはロシアと中国ほかになる。
ましてやベネズエラ軍の八割がマドゥロ退場を希望していると分析するメディアもある。日本外務省は2017年の暴動発生以後、ベネズエラの渡航中止を勧告している。

ベネズエラ経済の陥落は第一に原油価格の暴落だが、第二は対外債務の肥大化であり、第三に福祉政策、とくに教育費、医療費のバラマキが赤字を巨大化させてしまった。
教育費、医療費を無料として、庶民の票を獲得した。そのうえウゴ・チャバス前大統領は喧しく反米演説を繰り返し、「毛沢東を偉大な指導者、わたしはマオイストである」などと言って、一時期はチャバス政権の人気を高めたが、実態は中国の融資に経済を大きく依存させてしまったことである。

中国はベネズエラに原油鉱区を確保し、それとの交換で投資したほか、融資を敢行し、いまや最大の債権国となった。不良債権化するおそれのある金額は450億ドル、まるで対パキスタン並みである。

ベネズエラ情勢の緊迫化のため、ジョン・ボルトン大統領補佐官は予定されていた米韓協議を土壇場で延期し、「ベネズエラ情勢を見守るためワシントンに留まる」とした。ただしハノイの米朝首脳会談には陪席するとした。

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