最終判決が 中国の臓器狩り

最終判決が 中国の臓器狩り

ついに最終判決が 中国の臓器狩り

 

ジャーナリスト・野村旗守【東京発信・Cool Eyes】第31回

 

人類史上未曾有の、現在進行形の、国家犯罪 ―世界の人権問題権威が中国の国家犯罪に「有罪」判決― 中国の医療虐殺に口をつぐむ各国の主要メディアジャーナリスト・野村旗守【東京発信・Cool Eyes】第31回 (2019年6月収録)

 

 

英民衆法廷の最終判決「中国臓器狩りは有罪」

日本はリーダー国としての責任を果たせ

  • イギリスで開かれていた民衆法廷は、「中国の臓器狩りは有罪」と最終判決を下した
  • 今も中国では、強制的な臓器収奪が行われている
  • 日本は中国への渡航移植を禁じるなどの措置を通して、非道な行為をやめさせるべき

英ロンドンで昨年12月より開催されていた「中国臓器狩り問題に関する民衆法廷」の最終判決がこのほどに下された。「中国は、人道に対する罪で有罪である」という判決だった。

民衆法廷とは、NGOや市民が設置する模擬法廷のこと。中国は国連で拒否権を持っており、国連で裁くことができないため、民衆法廷が開かれていた。民衆法廷の判決に法的拘束力はないが、判事団は著名な人物で構成されており、その影響力は大きい。

 

カナダ人弁護士のデービッド・マタス氏らが10年以上かけて行ってきた調査により、「中国当局は、オンデマンドで(需要に応じて)、法輪功学習者などの『良心の囚人』から強制的に臓器を摘出し、臓器売買をしている」ということが明らかになっていた。

中国政府は2015年、「死刑囚からの臓器摘出は完全に停止した」と発表していた。しかし、民衆法廷は昨年12月の第1回公聴会の直後、「(本法廷は)全会一致をもって、まったく疑いの余地なく、中国で強制臓器収奪が行われてきたことを確信する」という異例の中間報告を発表。最終判決も、その中間報告を踏襲したものとなった。

民衆法廷のジェフリー・ナイス議長は、以下のような裁定を読み上げた。

強制的な臓器収奪は、長年にわたり、中国全土でかなり大規模に行われてきた。

臓器ドナーとして、法輪功学習者がいるのは確実。おそらく主なドナー源だろう。

結論は、非常に多くの人が理由もなく残酷な死を遂げたということ。

中国が臓器収奪をやめたという証拠はなく、今も続いている。

最近、ウイグル人イスラム教徒の医学的検査が行われている。彼らが「臓器バンク」として使われる可能性がある。

 

日本は、「中国への渡航移植を禁じる」などの措置を採るべき
この民衆法廷の最終判決について、イギリスを中心とする欧米メディアでは大きく取り上げられたが、日本のメディアではほとんど報じられていない。「日本の無関心」を象徴しているかのようだ。

「臓器狩り」には、人間を「単なる物質」とみなす唯物論国家・中国の本質が現れている。中国で行われている残忍な臓器狩りは、ナチスのユダヤ虐殺に匹敵するような「ジェノサイド(大虐殺)」と言えるだろう。

 

中国の臓器狩りについて長年調査してきた前出のデービッド・マタス弁護士は、本誌の取材(2019年6月号)でこう述べている。

「日本は中国への渡航移植を禁じることで、『共犯者』となることを防ぐことができます。まずは医師に対して、渡航移植が行われたことを厚労省に報告するよう義務付けなければなりません。本当は何件行われているのかをまず把握することが必要です。分からないから何もできないという悪循環に陥っているからです」

他にも、臓器移植を行う中国の病院と日本の病院との共同研究を防ぐこと、欧州評議会が定めた臓器の違法取引を禁じる条約に日本が署名すること、アメリカの「マグニツキー法」のように、人権弾圧をしている中国政府高官の資産凍結を行う法律を制定することなどが、有効だという。

日本は、さまざまな措置を採ることで、中国当局に非道な虐殺行為を止めるよう圧力をかけるべきだ。また中国に対し、「法輪功学習者やウイグル人イスラム教徒から、強制的に臓器を収奪するのは、『明確な犯罪』である。今すぐやめよ」と、強く迫らなければならない。それが「世界のリーダーとしての責任を果たす」ことであるはずだ。

驚くほど腰がラクになるお医者さんのコルセット

人の命で稼ぐ犯罪国家

ロンドンの民衆法廷は、中国の臓器狩り犯罪に「有罪」判決をくだし、この行為が国家ぐるみで長年に渡り、そして現在も規模を広げて継続されていることを確認しました。
この最終判決での各国識者の指摘を受け、私はこの人類史上最大級の凶悪犯罪が現在なお終焉を見ない最大の責任はメディアにあると書きました。
しかし、さすがに国際法廷の判決後は英語圏のメディアも重い腰を上げ、あらゆる媒体を通じすでに100本以上の報道がなされています。
しかし、この日本では――ほんの一部のメディアを除けば――まったくと言って良いほど報道されず、主要メディアはどこも報じようとしません。

(以下は、月刊WiLL7月号に掲載された拙稿です)

六月一七日、ロンドンの「中国臓器刈りに関する民衆法廷」では、いよいよ最終判決がくだされようとしていた。
一二月の第一回と四月の第二回の公聴会で証人(ウイグルや法輪功などに所属する当事者)二八人、参考人(調査研究者)二一人併せて四九人もの発言者が出廷した裁判の最終判決が、このほど下った。

六月一七日の当日、二〇〇席以上の会場は聴衆と報道陣でほぼ埋め尽くされ、立ち見も出るほどの盛況だった。やがて判事団が入場してくると全員が起立をして黙礼を交わす。会場は厳粛な雰囲気に包まれた。

結論として、中国のにおける強制臓器収奪は、非常な長期に渡り、しかも膨大な数の 無実の人々の犠牲の上に成り立ってきたと の確認を得た。

議長で進行(裁判長)役のジェフリー・ナイス卿が読み上げた判決の〝主文〟は、第一回公聴の直後に出た異例の中間報告をほぼ踏襲したものといってよかった。判決文はダイジェスト版だけでも全五八頁にも渡る長大なものなので、ここでは冒頭部分だけかいつまんで紹介する。

「……数千、数万の無実の人々が注文に応じて殺害されてきたということになる。健康な肉体が生きたまま切り開かれ、腎臓、肝臓、心臓、肺臓、角膜、皮膚……等が摘出され、商品として売り出されたのだ」

デービッド・キルガー、デービッド・マタス、イーサン・ガットマン――と、本法廷の基礎資料ともいうべき「二〇一六年報告書」の共同執筆者たち、それからウイグル出身の元医師でみずからも臓器摘出に関与の経験があるエンバー・トフティーら、主役級の証言者であり、一〇年以上に渡ってこの問題を調査してきた中国臓器狩り追及の急先鋒たちが最前列に陣取ってジェフリー卿の低い声に聞き入っていた。

「……これら無実の人々を、医師たちが殺害してきた。殺されたのは、全体主義国家である中華人民共和国の統治者である中国共産党の利益と目的に合致しないとみなされた人々だった」

判決文のダイジェスト版五八頁は英語版「中国民衆法廷」のホームページで全文を読むことが出来る。ここには「法廷」で取り上げられた数々の証拠が列記されている。

「……あらゆる問責に対し、中華人民共和国は、政治的に動機づけられた誹謗中傷である――と強弁する以外、殆ど何もしてこなかった。同時にまた、人類の正義と人権の擁護を使命とする筈の各国政府、国際機関もこれらの正当な批判に正面から取り組む姿勢を見せず、証拠不十分とすることで、注文に応じて殺害される運命にある人々の生命を守る行動をとらないことを正当化してきた」

そして判決文は、中国の臓器狩り犯罪を全盛期の最悪の凶悪事例と比較することによって、その悪質性を際立たせた。

「犠牲者、死者に関してはナチスドイツによるユダヤ人のガス室での虐殺、クメール・ルージュ、ルワンダのツチ族の屠殺にも比肩できる。しかし、罪のない善良な人々の心臓その他の臓器を盗み取り、魂そのものを破壊する行為の前には、これら歴史上の重大虐殺事件ですらいささか色褪せて見えるほどだと言える」

――が、それでも感情に押し流されることなく、冷静に法理を遂行せよ、と法廷はみずからを戒める。

「……これまで述べたイメージや描写は最低限に止め、普遍的な正義の理念を判定過程に適応することを優先させなければならない。現在檻のなかで生命の危機に晒されている生存者のためにも。また、中国に対して根拠のない偏見や差別を産まないためにも」

英国議会も追及

最終判決を受け、これまで(ごく一部の例外を除いて)中国臓器狩り問題に対しては出足の鈍かった英国マスコミも、ようやく重い腰を挙げた。まずは二四時間ニュースチャンネルのスカイニュースが第一報を報じ、続いてガーディアンとテレグラフのデジタル版が報道。さらにはBBCワールドニュースやロイター通信が世界に向けて放送を開始した。メデイアだけではない。民衆法廷を受け、英国議会もようやく動き始めた。

じつは今回の民衆法廷のお膝元、ロンドンのビッグベンこと英国議会でも、この人類史上未曾有の、そして現在進行形の国会犯罪に無意識にであれ自国民が関与することのないよう、法改正を求めて政府への追及がはじまっていた。

第二回公聴会が開かれる前月の三月二四日。質問に立った民主統一党のジム・シャノン議員は民衆法廷が第一回公聴会の終了後に出した中間裁定(「(本法廷は)全会一致をもって、まったく疑いの余地なく、中国では強制臓器収奪が行われてきたことを確信する」)を踏まえ、責任放棄を決め込んでいる英国政府に対し、中国の悪逆な国家犯罪を黙過することなく「厳しい質問」を浴びせるよう悔恨と改心を促した。

ロンドンからでも必要に応じて臓器を注文 すれば、一ヵ月以内に移植手術を受けることが出来るという。我々は中国に渡航して 、中国の宗教団体の受ける苦難に、例え無意識にであれ関わるべきではな い。

同議員は続けて、既に法整備を終えて中国への移植渡航を禁じたイタリア、スペイン等を引き合いに出し、英国はなぜ後に続かないのかと自国政府の無策を責めた。

多くの人々が中国で行われている強制臓器 収奪の証拠を集め、分析し、判断をくだし ている。集められた証拠に疑いの余地はな く、説得力がある。これは産業規模での人 類に対する犯罪です。

さらに現段階で、中共政府によるもっとも苛烈な弾圧の直下にあるウイグルの実態にも触れ、推定一五〇万人が監禁されていると言われる「再教育施設」という名の強制収容所について、「第二次世界大戦時のナチス以来、史上最大規模の強制収容施設である」と表現した。

「煙の出ているピストル」

二六日、英国政府を代表し、これに応じて答弁に立ったのは、英連邦省閣外大臣を兼務するマーク・フィールド外務大臣だった。――が、その答申の内容は右顧左眄を極め、お世辞にも明快なものとは言い難い。
シャノン議員のご指摘のように、キルガー 、マタス、ガットマン三氏の「二〇一六報告書」は貴重な情報源です。外務省の高官 は最新の報告を丹念に精査し、中国の臓器 移植制度に関する新たな重要な情報源と考えている。同報告書では中国での年間の移 植件数、臓器源を実証することは極めて難しいと指摘している。同報告書はまったく 正当に中国の臓器移植制度に透明性が欠如していることに疑義を呈している。しかし同時に、犯行を証明する自明の証拠の欠如を認めています。著者たちは、疑惑を証明する決定的証拠(「煙の出ているピスト ル」という表現を使った)がないために、 仮定および厳格な調査技術に及ばない方法 に頼らざるを得ませんでした。

英外相は、中国臓器刈り調査のパイオニアであり長年の調査者である三氏の功績を認めながらも、報告には決定的な証拠が欠けていると誹毀する。ようするに、重要な資料だが惜しむらくは「煙の出ているピストル」がないので決定打にならない――と悔しがってみせることによって、英政府の関与を巧みに避けようとしているわけなのだ。

名指しされた三人は直ちに追加陳述書を作成。第二回公聴会二日目の四月七日、民衆法廷の席上で英議会への反駁を試みた。

フィールド外相の答弁は我々の調査を歪めて説明したものです。「二〇一六年報告書」について「犯行を証明する自明の証拠の欠如を認めている」と大臣は言いましたが、このような記述は報告書のなかにはまったくありません。我々はこのような言葉を一切使っていないし、おなじ意味となる表現も存在しない。つまり、大臣は我々が言っていないことを我々の言葉として用いているのです。「二〇一六年報告書」の内容は、まったくその逆で、自明の証拠のみを使っている。我々が使用した数千の証拠にはすべて反論の余地はありません。

追加陳述書はまた、「煙の出ているピストル」の用法についても敢然と異を唱える。

我々は「疑惑を証明する犯罪の決定的証拠 、即ち、煙の出ているピストルがない」とは書きました。が、一つの証拠ではなく、すべての証拠からこの結論に達した―ということが肝要なのです。これは読み手が推量しなければならない類の論点ではなく、明瞭に記述されています。(略)我々は一つの証拠の欠如に、帰結、 仮定の立証を結びつけてはいません。フィールド大臣と彼 の周りの英国政府高官だけが結びつけているかのようでなのす。

「煙の出ているピストル」とは、例えば臓器を抜き取られた囚人の血が付着したメスや、臓器を抜き取られた後の囚人の遺体写真であるとかだが、そんなものが残っているなら苦労して一〇年間も調査を続ける必要などない。メスも手術室も直ちに洗浄され、遺体は焼却されているのだから。

「証拠は山程ある」

おなじく七日の午後、第三セッションの「法廷」に登場した当事者の一人、デービッド・キルガーが証言台に立った。カナダの元国務大臣で長らく検察官も務めたキルガーは表面、至って沈着に見えながらも、その内心は憤怒で激っていた筈だ。内に秘めた怒りを吐き出すかのような言葉は、辛辣を極めた。

私は七年間大臣を務めていました。どのよ うに政府の行政機関が働くか理解していま す。一国の政府がこのおぞましい問題について実際に起っていることを把握したなら、彼らは何らかの措置を取らねばなりません。つまり、この人道に反する犯罪、人類史上かつてない国家犯罪に対しては、「証拠がない」とすることが政府にとって一番簡単な対処方法なのです。(略)このことが起こっていることに疑念の余地はありませ。それなのに、善意あると期待してい た人々から「証拠が不十分」と言われることは非常に胸が痛みます。(略)「証拠が 十分ではない」という人に「二〇一六年報 告書を全部読みましたか?」と質せば、決まって「読んでいない」あるいは「序文だ け読んだ」という返事が返ってきます。ですから、私は大臣の発言を鵜呑みにしません。皆さんにも鵜呑みにしないことを期待します。ほぼ一〇年間、私は検察官を務めてきました。その経験から鑑みても、「報告書」には圧倒的な証拠があります。山程あります。

実際、英国議会はキルガー、マタス、ガットマン三氏の「二〇一六年報告書」を取り上げながらも、三人のうち誰とも接触を試みていなかった。つまりは、新たな証拠に出てきてほしくない、確かな証拠を受け入れたくない――というのが本音だろう。

民衆法廷の進行を司るジェフリー・ナイス卿はここでキルガーに、「これほど重大な批判を陳述したフィールド大臣に対し、なぜ証拠を否定するに至ったか、その法的な根拠を本法廷が求めたら、大臣は応答する義務があると思うか?」と問いかけた。

勿論です。しかし、彼の返事は聞かずとも わかってる――「そうします」と言って、半年過ぎてもまったく応なし、となるでしょう。ご存知の通り、我々は二〇〇六年からこの問題に取り組んでいるが、最初からずっとこの状態なのです。(略)初めて 英国外務省を訪ねたのも二〇〇六年だった 。しかし私の知る限り、それ以降現在に至るまで厳格な調査が行われた形跡は一切ない。

さらにジェフリー卿は、「では大臣を本法廷に呼んで、直接問いただしてみたらどうか?」とも訊いた。

大臣は何としても出廷を避けるでしょう。 自分が、怠慢、間抜け、無責任――に見えてしまうからです。七年間の国会議員としての経験から、フィールド外相は英外務省の中国担当者に言われた通りのことを言っているだけだというのがわかる。「大臣、議会では『証拠が決定的でない』と答えてください。そう言うのが一番無難です」――おそらく担当者からそう助言されたのです。「そう答えれば反論も起きないでしょう」と。

「敢えて見ないふりをしている」

既に五〇カ国近くを回って問題の深刻さを訴えてきたキルガーにとって、英国政府の反応は特に意想外なものではない。このようなやり取りは最早うんざりするほどの反復体験であったに違いない。――が、それでも彼は辛抱強く陳述を続けた。

そして現在の問題として注視されているの が、ウイグル人コミュニティーの大惨事です。現在このコミュニィティーで起こっていることを考えただけで寒気がします。(略 )ウイグル人コミュニティーで起こっていることは、本当におぞましいことです。法輪功コミュニティーで起こったパターンが 繰り返されています。

深くうなずいたジェフリー卿は、「(「二〇一六年報告書」に関し)遺憾ながら読むもの聞くものすべてがこのおぞましい中国臓器移植産業の成長を示している」と率直な所感を述べた。そして同時に、「マタス氏、ガットマン氏とともに書かれたこの陳述書を、英国外務省の担当者が回覧できるよう取り計らう」と確約したのだった。

続いて判事団の質疑が始まる。最初にマイクを握ったのは、国際犯罪法と人権法専門とする米国人弁護士、レジーナ・バウロスだった。

相当規模の大量虐殺の疑惑、即ち近年の人類史上いかなる国も手を染めたことがない最悪の残虐行為について、本日提出された 陳述書では「不都合な真実」と表現されています。閣僚経験者として自身の判断から 、英国政府や他の政府がこの問題に取り組 もうとしない理由は経済的なものでしょう か? つまり敢えて見ないふりをしているのでしょうか?

「その通りです。敢えて見ないふりをしている――悲しいことですが、そう確信しています」

キルガーは直ちに断言した。

既に一三年間、この問題の調査に後半生の殆どを費やしてきた彼にとって、中国の医療虐殺――無実の囚人からの強制臓器収奪と巨大ビジネスとしての臓器売買は、自明の上にも自明な、既成事実以外の何物でもない。――にも拘わらず、世界ではまだ殆どの国民が目の前のこの事実に目を向けようとしてない。

それというのも、先述のイタリアやスペイン、それから台湾、イスラエル……等、限られた少数の政府以外はこの中国の邪悪な臓器刈り犯罪に対し、非難声明も、自国民を非法な臓器移植渡航に加担しないよう求める法改正すら為し得ていないからだ。各国の国民は、主に「経済的な」理由で中国の顔色をうかがう自国政府とメディアの不作為によって、ことの重大性――人類史上未曾有の、そして現在進行形の国家犯罪――に無自覚なままにされているのである。そして、その典型がこの日本だ。

はっきり言ってしまおう。

およそ現代社会であり得ない中国の医療虐殺を許し、巨大産業にまで成長させてしまった最大の原因は、中国の顔色を窺って報道の責任を放棄した各国の主要メディアにある。各国メディアが一斉に、大々的に報道を続ければ、それぞれの政府も行動を起こさざるを得ないからだ。二〇一六年、中国の医療虐殺に対して非難声明を出した米下院の外交調査と監査委員会は、「主流メディアがこれほどの重大犯罪を報じないことは、ジャーナリズムの歴史に対する冒涜である」とまで言い切った。やって出来ない筈はない。「証拠は山程ある」――のだから。今回の「判決」を機に世界中のメディアが覚醒することを祈るばかりである。

 

 



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