年金と健康保険と住民税

年金と健康保険と住民税

厚生年金とは日本の公的年金制度の1つで、会社員や公務員として働く人が加入するものです。加入していると、定年退職や病気・怪我などで稼得能力が低下した際に「年金の給付」という形で保障が受けられます。給付される年金は、定額の基礎年金部分と給料に比例して金額が上がる報酬比例部分によって構成されています。

計算方法について

厚生年金保険料を算出する際には、標準報酬月額と厚生年金保険料率を使用します。標準報酬月額は、4月から6月までの3ヶ月間の給与の合計から平均値を算出し、国が定める水準に当てはめた金額を使用します。

厚生年金保険料率は平成29年9月に引き上げが完了し、18.3%で固定されています。2つの数字を掛けることで厚生年金保険料の総額が算出されます。

将来もらえる年金額は1.6倍

一般的な定年時期である60歳を超えてからも会社員や公務員として働く場合には、厚生年金保険料を支払う必要があります。この場合、働いている間は「被保険者」として扱われるため、年金の支給は基本的に行われません。しかし、年金給付面で損をしないように、受け取り開始から終了までの総額は通常の人の1.6倍に設定されます。

国民年金と厚生年金では支給額に違いがある

厚生年金の被保険者は、厚生年金保険料と国民年金保険料の両方を支払っています。そのため、国民年金(基礎年金部分)と厚生年金の両方を受け取ることができます。国民年金のみの加入者へは基礎年金部分しか支給されないため、金額には差が生じることになります。

扶養に入っている人も年金をもらえる

会社員や公務員を夫に持つ専業主婦などの場合、要件を満たしていれば夫の扶養に入ることが可能です。被扶養者は厚生年金の第3号被保険者として扱われるため保険料の支払い義務は発生せず、負担が増えることもありません。被扶養者が将来もらえる年金の金額は、国民年金と同額の基礎年金部分となります。

健康保険のしくみ

健康保険は、厚生年金と同様に「所得水準に比例して保険料を支払い、保障を受けられる」という制度です。厚生年金や国民年金を運営するのは日本年金機構ですが、健康保険は企業が置かれる地方の厚生局に委託運営されています。被保険者は医療機関での治療費の自己負担が3割となり、ケースに応じて傷病手当・入院手当などを受けることができます。

住民税とは

厚生年金の場合、企業が置かれている地域に限らず保険料率は一律18.3%です。一方、住民税は市区町村によって税率が異なります。住民税は、1月1日現在の住所地で、前年の1月1日から12月31日までの1年間の所得に対して課税されます。そのため、1月2日以降に他の市町村に転居した場合でも、1月1日現在で居住していた市町村に全て納付しなければいけません(この場合、その年度の住民税は転居先の市町村から課税されることはありません)。

住民税の税率は一律10%

  • 所得割 市町村民税6%+道府県民税4%=合計10%
  • 均等割 市町村民税3000円+道府県民税1000円=合計4000円

住民税を払わないとどうなる

通常、私たちが住民税と言っているところの道府県民税の所得割が98.6%の徴収率、市町村民税の所得割が98.8%の徴収率とともに高い徴収率を誇っている反面、滞納繰越分、つまり滞納と認定され全額回収できていない割合も道府県民税の所得割が32.4%の徴収率、市町村民税の所得割の徴収率が30.0%と低い数値となっています。

つまり、滞納になる確率は少ないが、いったん滞納するとそこからなかなか抜け出せないのが住民税の厄介なところとも言えます。

住民税を滞納すると延滞金がかかる

  • 前年は正社員として働いていたけど、今は非正規雇用になった
  • 年収アップを図って会社を辞めて転職活動していたけど、転職先が決まらない
  • フルタイムで働いていたが、結婚を機に専業主婦になった
  • プロスポーツ選手として活躍していたが引退を余儀なくされた
  • 住民税を滞納すると延滞金がかかる

ただし、分納するとデメリットがあります。つまり、「督促状」が届いている段階で本来の納付期限を過ぎていることが考えられるので、本来の納付期限から実際に納付したまでの日数、税金の納付が遅延したということになるのです。

住民税が減免されるケースもある

もちろん、「課税の公平」という観点から「このような状況であるならば致し方ない」と判断されることも皆無ではありません。

東京都の場合であれば下記にように所得割・均等割ともに非課税、あるいは所得割のみ非課税とするルールがあります。
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健康保険の種類

国民皆保険制度のもとで日本国民全員が加入している公的医療保険。加入の証である保険証は普段から身分証明などに使う方が多いと思いますが、では、自分がどんな種類の医療保険に加入しているか。

公的医療保険とは、加入者やその家族が病気やけが、出産などで医療が必要になったとき、医療給付や手当金を支給し生活を安定させるための仕組みです。医療保険には様々な種類がありますが、仕組みやお金の流れは基本的に同じで、加入者全体で助け合う相互扶助の制度です。医療保険のお金の流れには被保険者・被扶養者、保険者、医療機関、支払基金がそれぞれ関係しています。

被保険者・被扶養者

被保険者・被扶養者とは医療保険に加入している本人とその扶養家族のことです。なお、国民健康保険の場合は、被保険者の扶養家族であっても被扶養者にはなりません。被保険者・被扶養者は、保険者に支払う月々の保険料と医療機関に支払う医療費の一部負担によって、医療機関で治療を受けることができます。

保険者

保険者とは、自治体や健康保険組合など、健康保険事業の運営主体を意味します。支払基金から医療費請求を受け、被保険者から集めた保険料を支払基金に払い込んでいます。

医療機関

医療機関とは、その名の通り医療を行う機関で、具体的には病院などを指します。被保険者・被扶養者に対して診察や治療を行った医療機関は、診察・治療代として医療費の一部を当人から受け取ります。さらに、残りの医療費は診療報酬明細書(レセプト)という形で支払基金に請求します。

支払基金

医療機関から請求された診療報酬明細書を審査するのが支払基金と呼ばれる民間法人です。診療報酬明細書が適正なものであるか審査を行い、適正であると判断すると、保険者に対して診療報酬(医療費)の請求を行います。支払基金はこのように保険料と医療費の支払い・受け取りを仲介する役割を担っています。

公的医療保険は全ての人に加入義務のある保険ですが、職種や年齢によって加入する保険が異なります。「健康保険」や「国民健康保険」など、普段から耳にする機会が多い保険以外に、「船員保険」や「共済組合」なども公的医療保険に含まれます。ここでは、代表的な保険である健康保険と国民健康保険について解説します。

健康保険は会社に勤める従業員や事業者の方が加入する保険です。このように被雇用者が加入する保険は、船員保険や共済組合とあわせて「被用者保険」と呼ばれます。また、健康保険を「社会保険」と呼ぶこともありますが、社会保険は正確には医療保険・年金保険・介護保険・労災保険・雇用保険の総称です。
健康保険はさらに「組合けんぽ」と「協会けんぽ」に分かれています。大企業などは独自の健康保険組合を設立していることが多く、各健康保険組合が運営する組合けんぽには、その企業の従業員や事業者が加入できます。一方、中小企業で働く方は、健康保険協会の運営する協会けんぽに加入することが一般的です。どちらの保険でも、退職者は退職後二ヶ月間に限り継続加入するか選択することができます。

国民健康保険は、健康保険やそのほかの公的医療保険に加入していない方が対象で、保険者は市区町村などの自治体です。具体的には自営業者や農業従事者、フリーターの方が主な加入者となっています。また、企業退職後に任意継続を希望しない退職者も国民健康保険に加入することになります。

健康保険と国民健康保険の違い

健康保険と国民健康保険には、被保険者(加入者)の職業の違いのほかにもいくつか相違点が存在します。

保険料の算出方法

健康保険では個人ごとに年齢や収入などをもとにして保険料が定められます。都道府県によって所得水準や医療費に差があるため、都道府県間で保険料の調整が行われています。それに対して、国民健康保険では世帯ごとに加入者の数や年齢、収入などをもとに保険料が定められます。被保険者数や所得差などに基づいて各自治体で保険料率は異なります。

扶養家族の扱い

健康保険の被保険者(加入者)に扶養家族がいる場合、その家族は被扶養者として扱われ、被保険者と同様に一部負担で医療機関の診察・治療を受けることができます。被扶養者は保険料を支払う必要がないため、被保険者の扶養家族の数に関係なく、納める保険料は被保険者1人分です。一方で、国民健康保険には被扶養者という考え方がありません。つまり、家族が多ければ多いほど1世帯の保険料総額は高くなります。

保険料の負担

健康保険の場合、毎月支払う保険料の半分を被保険者が負担し、残り半分は事業者が負担する仕組みになっています。国民健康保険では事業者の負担がないため、保険料は被保険者が全額負担することになります。

付加給付制度の有無

健康保険には「付加給付制度」というものがあります。付加給付制度とは、被保険者が一ヶ月に払った医療費があらかじめ設定されている限度額を超えた場合、超過分が払い戻される制度のことです。例えば、一ヶ月の限度額が30,000円に設定された付加給付制度のある健康保険に加入している場合、被保険者が一ヶ月間どんなに医療費を支払っても、超過分の払い戻しによって結果的に医療費は月30,000円に収まることになります。なお、厚生労働省によると、付加給付制度での一ヶ月の自己負担限度額の目安は25,000円とされています。
それに対して、国民健康保険ではこのような制度がないため、国民健康保険の被保険者は多額の医療費を支払うことになる場合もあります。

健康保険と国民健康保険の保険料比較

健康保険と国民健康保険にはいくつかの違いがあり、それによって月々の保険料も異なってくることがおわかり頂けたかと思います。ですが、実際にはどの程度の差が表れるのでしょうか? ここで具体的に、健康保険と国民健康保険の支払い保険料の差について検証してみます。

例えば、40歳で年収600万円の父、同じく40歳で年収100万円のパート勤めの母、12歳の子どもという3人家族で、神奈川県横浜市に在住しているケースで保険料を算出します。

まずは健康保険について見てみましょう。父が神奈川県の中小企業に勤務し、協会けんぽに加入しているとします。神奈川県の協会けんぽの保険料率は9.93%ですが、被保険者が40歳~64歳の年齢区分に該当する場合は介護保険料率1.65%を上乗せして支払うことになります。また、母と子どもは被扶養者になるため、保険料はかかりません。その結果、月々の支払い保険料は約28,950円となります。

続いて、父が神奈川県横浜市で国民健康保険に加入している場合の保険料をシミュレーションします。神奈川県横浜市では国民健康保険料は医療分、支援分、介護分に分かれており、それぞれの保険料率は6.64%、1.99%、2.03%です。国民健康保険には被扶養者という考え方がなく、母も子どもも被保険者として扱われます。世帯の合計収入が700万円ですので、世帯全体で月々約44,780円の支払いとなります。

このように、同じ家族構成や収入でも加入する保険によって保険料の支払額は大きく変わってきます。状況によって変動することはありますが、一般的に健康保険のほうが国民健康保険よりもメリットが大きいと言えるでしょう。

保険証はいずれかの医療保険に属していることを証明するものです。保険証には個人を特定できる様々な情報が記載されており、氏名や生年月日などの個人情報のほかに保険者番号や保険者名なども確認できます。すでに見てきたように公的医療保険の種類は様々で、自分の加入している保険について把握できていない方も多いかもしれません。ですが、保険証の見方さえわかれば、加入している保険の種類もすぐにわかるのです!

自分の加入している保険の詳細を知るために重要なのは、保険証に書かれている数字です。記載されている数字は「記号」「番号」「保険者番号」の3つがあります。

保険証には「記号」とのみ印字してありますが、正式には「事業所整理記号」と呼ばれるもので、被保険者が加入している保険の保険者を表します。健康保険などの場合は被保険者が勤めている職場の数字であり、国民健康保険の場合は自治体固有の番号が記載されています。なお、同じく保険証に記載されている「保険者名」の欄では、この保険証を発行した保険者(加入先保険の運営機関)の名称を具体的に確認できます。

番号は、記号の管轄内での整理番号のことです。例えば健康保険の場合、職場の同僚であれば記号は同じ数字になりますが、番号はそれぞれ異なります。ただし被保険者の扶養家族は、いずれの保険でも同じ数字が記載されます。

この保険者番号は、自分の加入している保険の種類を判断するために重要な数字です。まずは桁数に着目してみましょう。健康保険や共済保険など被用者保険の保険証では、保険者番号は8桁になっています。それに対して、一般的な国民健康保険の保険証では6桁の保険者番号が記載されています。つまり、桁数で国民健康保険かどうかが判断できるのです。(ただし、企業退職後の国民健康保険加入は8桁になります。)

次の判別ポイントは被用者保険の保険者番号にある「法別番号」です。法別番号とは、8桁の保険者番号のうち最初2桁の番号のことで、これが医療保険の種類を表しています。なお、先ほど説明した通り、一般的な国民健康保険にはこの法別番号はありませんが、退職者の場合には法別番号が割り振られます。

法別番号の次の2桁は保険者が所在する都道府県を示す「都道府県番号」で、その次の3桁は保険を管轄する責任者が定めた「保険者別番号」です。最後の1桁は「検証番号」と呼ばれ、上記3つの番号が正しいか確認した結果の番号です。

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