「歴史から学ぶ中国・尖閣問題」

「歴史から学ぶ中国・尖閣問題」

尖閣問題の史実

現代の中国人は反日教育はされても知らない本当の話! 現代中国語の7割は日本語が起源。 日清戦争で負けた後、中国人が日本に来て日本語の教科書をそのまま持ち帰り、現代中国語をつくった。つまり中国の近代化は日本が見本だった。

 

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尖閣諸島は、日本政府が1895年1月、無主の地であることを確認して日本の領土に編入して以来日本の領土となっている。サンフランシスコ平和条約でも沖縄の一部として扱われており国際法的にも日本の領土であることは明らかだ。日本政府は、表現は若干違うところもあるが大筋はこのような立場であり、かつ、有効に支配している。

一方、中国は、尖閣諸島は中国「固有の領土」だと主張し、また、尖閣諸島についての記述がある古文献を持ち出してその主張の正当性をアピールしようとすることもある。

しかし、このような中国側の主張にはあまり説得力がない。古文献には、かつて中国人が航海した際に目印となっていたことを示す記載はあっても、中国が実効支配していたことを裏付けるものはない。それどころか、中国の領土は明代まで原則中国大陸の海岸線までであったことを示す文献が多数存在している。

このような事情から、日本政府は、尖閣諸島については「解決しなければならない領有権の問題は存在しない」という見解であり、中国側が国際司法裁判での決着を望むならいつでも受けて立つという姿勢である。

厄介なのは、日本が軍国主義の下で中国から領土を奪取したという歴史観が中国にあることであり、それは、具体的な表現はともかく、筋道としては誤りだ。

 

たとえば、中国は、1895年に日本が尖閣諸島を日本領に編入したことを日本の侵略の一環としてとらえている。日本政府は、日清戦争(1894年6月~1895年3月)とは関係ないことであったとの立場だが、中国側は狭い意味での戦争行為のみならず、日本の行動全体を問題視しているのだ。この両者の異なる立場について明確なかたちで白黒をはっきりさせるのは困難だろう。

しかし、中国の主張には明らかな誤りが2点ある。その1つは、日本が編入するまで尖閣諸島は中国領だという前提に立っていること。もう1つは、中国が尖閣諸島は台湾の一部と考えていることだ。しかし、地理的な近接性が領有権の根拠とならないことは確立された国際法である。

中国の歴史観は、1992年に制定した「中華人民共和国領海及び接続水域法(領海法)にも表れている。この法律では、「台湾、尖閣諸島、澎湖諸島、東沙諸島、西沙諸島、南沙諸島は中国の領土である」と途方もないことを規定したのだが、これらはたしかに、かつて日本が領有していた島嶼・岩礁であった。

中国は南シナ海、台湾、東シナ海を含む広大な海域について、「管轄権」を持つと主張することもあるが、同じことである。

国際法的には、サンフランシスコ平和条約の解釈が決定的な意味を持つ。同条約では、台湾は日本が放棄すると明記されたが、尖閣諸島の扱いは何も記載されなかった。しかし、その後の米国による沖縄統治の間に尖閣諸島は沖縄の一部として扱われた。したがって国際法的には尖閣諸島は沖縄の一部であったと解されていたのである。

今回の侵入事件のきっかけとなったのは、さる7月12日、南シナ海におけるフィリピンと中国との紛争に関し国際仲裁裁判所が中国側全面敗訴の判決を下したことだ。この裁判は台湾や尖閣諸島を対象にしていないが、中国にとって今回の仲裁裁判結果は、台湾や東シナ海についての領有権主張も「根拠がない」と判断されることを示唆する危険な判決だ。

 

尖閣諸島についての根拠の有無は前述した。台湾の状況は尖閣諸島と同じではないが、やはり中国の主張には問題がある。

台湾が中国によって支配されるようになったのは、1683年以降である。当時の中国は清朝であり、その年より以前は鄭成功が統治していた。この人物は明時代の人物だが明朝廷の命を受けて台湾を統治したのではなく、個人としての行動であり、また、その期間は22年という短期間であったので、明は台湾を支配していなかったというのが通説だ。

清朝は台湾の一部を支配していたにすぎない

また、清朝は台湾の一部を支配していただけであった。台湾の西半分であり、東半分は最北端の一地方だけであった。そして清朝政府は統治外の地域、すなわち東半分の大部分を「番」と呼ぶ住民の居住地とみなして漢人がその地域へ入ることを厳禁するなど、統治下と統治外の地域を厳格に区別していた。

このような歴史的経緯は台湾の教科書に明記されていることであり、中国としてもそれは百も承知のことである。にもかかわらず、台湾を中国の「固有の領土」と主張するのは、繰り返しになるが、日本から取り戻したいからである。

ただし、台湾についてはもう一つの事情が加わっている。中国にとって、台湾の中国への統一が実現しない限り第二次大戦直後から始まった中国の内戦は終わったことにならないのだ。

中国は今回の判決後、むしろスプラトリー諸島(中国名「南沙諸島」)などでの攻勢を強めているきらいがあり、そのため今回の裁判はあまり有効でなかったという見方もあるようだが、真相は全く違うと思う。

中国としては南シナ海、台湾、東シナ海の領土問題の根底には、日本の軍国主義との戦いがあり、手を緩めることはできない。もし国際社会の言うように物分かりの良い態度をとれば政治的に大問題になる恐れがあるのであり、今回の判決のように中国にとって危険なことが起これば強い態度で出ざるを得ないのだと思う。戦闘的な行動形式は今や多数の国家にとって無縁かもしれないが、中国にとっては、いざという場合には必要なことだろう。

中でも中国軍は、日本によって奪われていた領土を取り戻すことをもっとも強く主張している機関であり、「日本が南シナ海の仲裁裁判に不当に関与したので懲らしめてやろう」という気持ちが強く出たのかもしれない。軍に比べ中国外交部の地位は相対的に弱いといわれており、今回の事件についてはこのような内部事情も影響している可能性がある。

しかし国際社会においては中国の内部事情がどうであれ、中国のそのような特異な考えは認められない。日本が仲裁裁判に関与したなどという裁判批判は荒唐無稽だ。

国際法にのっとって解決する必要

日本が放棄した島嶼や岩礁の帰属問題は国際法にのっとって解決することが絶対的に必要だ。各国が国際法を無視して取り合い合戦を始めれば新帝国主義的争いとなる危険さえある。

日本政府が「国際法と国内法令に基づいて、今回の事件について冷静に、かつ毅然とした態度で処理する」という方針で臨んでいるのは正しいと思う。また、米国との情報交換などもよく行っているようだ。

一方、中国のフラストレーションにも注意が必要だ。中国は、南シナ海の問題、あるいは尖閣諸島の関係で不満が高じると、ほかの問題で代償を求めてくることがありうる。外相会談が開催できない原因を日本側に押し付けてくるようなことはすでに始まっているようだ。

残念ながら、共産党による事実上の一党独裁の中国では、分野あるいは案件をまたがっての政策調整は比較的簡単にできるが、民主主義国家では困難だ。そのため中国政府がとりうる政策手段の幅は日本などよりはるかに広く、時として日本の対中外交は困難に陥るが、日本としては安易な妥協は禁物であり、国際法に従って問題を処理することが、結局は中国にとっても利益であることを粘り強く説得していくことが肝要だ。

また、領土問題に関する主張の奥には、日本などとは比較にならない危険な政治状況がありうるということを常に念頭に置いておくことが必要だ。

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