ゴラン高原 イスラエル領有は中東に新たな火種

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キャスター:髙山正之・saya

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トランプ米大統領が、イスラエルが1967年の第3次中東戦争でシリアから奪った占領地ゴラン高原をめぐり、イスラエルの主権を認める考えを表明した。ゴラン高原併合は国際的に承認されていない。シリアのアサド政権を支援するロシアやイランの反発も予想される。トランプ氏の発言は中東の緊張を高めるもので、極めて問題だ。67年戦争では、イスラエルがわずか6日間で、周辺の広大な地域を占領した。ゴラン高原はいまに続く占領地の一つだ。だが、戦争で奪った「領土」を認めないのが国際ルールである。中東に限らず、力ずくの現状変更を許すわけにはいかない。

同年、国連安全保障理事会はイスラエルに占領地からの撤退を求める決議を採択し、中東紛争の政治解決に向けた基礎となった。

ゴラン高原の主権承認は、こうした中東和平の精神を逸脱するものであり、懸念はしかも、この地域のみにとどまらない。

ロシアのプーチン政権が、2014年に隣国ウクライナを侵略したクリミア併合で、正当性の主張に利用する可能性はないのか。

トランプ氏は、ゴラン高原について「イスラエルの戦略や安全保障、地域の安全にとって重要」という。だからといって武力併合を認めてよいことにはなるまい。

トランプ政権は一昨年、エルサレムをイスラエルの首都と認定した。占領地の東エルサレムを含む全域を首都とする同国の主張は、国際的に認められていない。

中東和平は、国際社会全体が取り組むべき課題であり、米国がイスラエルとアラブとの仲介役などとして主導してきた。

従来と同じでは和平は進まないというトランプ氏の考え方も理解できなくはない。だが、トランプ氏がどんな構想を描いているのか、展望は示されないままだ。

 ゴラン高原の主権承認は、来月総選挙を控え、苦戦が伝えられるネタニヤフ首相を利するのは間違いない。トランプ氏自身にも来年の大統領選に向け、親イスラエルの保守派キリスト教福音派の支持を固めておきたい思惑があると伝えられる。

 敵対するイスラエルとイランは内戦のシリアを舞台に散発的に交戦している。中東に新たな火だねを持ち込むのが危険であることは誰の目にも明らかなはず。

 

 

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