慰安婦記事訴訟 ジャーナリストの櫻井よしこ氏が会見

慰安婦記事訴訟 ジャーナリストの櫻井よしこ氏が会見

【会見全編】慰安婦記事訴訟 ジャーナリストの櫻井よしこ氏が会見(2018年11月16日)

 

櫻井よしこ氏の冒頭あいさつ

櫻井:皆さん、今日はありがとうございました。たくさんの方においでいただいて、きのうは植村さんのお話を聞き、今日は私の話ということになりましたので、両方のお話をよく聞いてくださればと思います。今日の司会の方のご紹介をありがたく思いますけれども、まず私をリーディングリビジョニストというふうにご紹介なさいました。このこと自体が私はある種の価値判断をもって、一方的な見方をしているのではないかと思います。そして日本会議のことを言いましたけれども、私は日本会議とはなんの関係もありません。そのことだけは間違った前提でお話をしてほしくないと思いまして、今日これからのお話の前の大前提が間違っているということをまず指摘したいと思います。

そのように申し上げた上で今日の私どもの、どのような形でお話を申し上げるかということについて説明させてください。11月の9日に札幌地方裁判所が下した判決の正しい中身について、まずご説明申し上げます。その部分は私の主任弁護人であります林いづみ先生にお願いをいたします。そのあとで私自身の所感を申し上げたいと思います。では林先生、お願いいたします。

林弁護士による札幌地裁判決の説明
林:はい。皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。お手元に英文で、このサマリーのようなものをお配りしております。この判決自体は本文だけでも68ページに及ぶ長文のものです。正確にサマリーを作ることは非常に困難です。しかし植村さんが昨日ここで配られた英文のディシジョンのサマリーには私は大きな、事実と違う、判決とは違う部分があると思っています。従って、あくまでもドラフト、仮の翻訳ですが本日、急遽、私がこれを作りました。

皆さまご存じのようにこの事件の出発点は1991年8月11日に植村さんが朝日新聞に書いた記事にあります。その記事の前文、トップ記事の前文において植村さんは後に金学順さんと分かる人が女子挺身隊の名で戦場に連行されて慰安婦になった、その慰安婦のうち1人がソウル市内に生存していることが分かり、と報道しました。それから23年たって、朝日新聞はこの記事について、この女性が挺身隊の名で戦場に連行された事実はありませんとして、この記事の中の、女子挺身隊の名で戦場に連行され、の部分を誤りとして訂正しました。

そこで植村さんについての、この植村さんが櫻井さんを提訴した名誉毀損事件のポイントは、植村さんが、金学順さんが継父によって慰安婦にされたという事実、経緯を知りながら報じず、そして慰安婦と無関係の女子挺身隊の名で日本軍によって戦場に強制連行されたという事実と異なる本件記事を、事実と異なることを知りながら執筆したということが本当であるかどうかという点がポイントです。結論として判決において裁判所は櫻井論文に記述された事実は真実であると証明されているか、事実の重要な部分を真実と信じるについて相当な理由があると認めました。

記事Aを書くときに植村さんが事実でないということを知っていたかどうかを証明するのに一番いいのは、彼が聞いたというその聞き取りテープを聞くことだと思います。しかし植村さんは裁判においても、そのテープのコピーは持っていないと答えました。またその聞き取りテープを彼が91年に聞いたときの彼のメモも残っていないと言いました。

そこで次に近いのは、この91年の時期に金学順さんが直接語ったことを報道した内容になります。判決は当時のハンギョレ新聞、それからこの聞き取りのあと平成3年12月に日本政府に対して訴えられた裁判の訴状、弁護士が金学順さんから直接、聞き取って書いた訴状、それから臼杵さんという方が平成4年の1月5日付に金学順さんを取材した結果として報道した論文、この3つを証拠として挙げました。判決はこれらの3つの証拠は一定の信用性を置くことができる資料であり、被告櫻井がこれらの資料に基づいて金さんが人身売買によって慰安婦になったと信じたことについて相当の理由があると判断しました。

ここで1つお伝えしたいのは、判決文の50ページでは櫻井論文の中で平成3年訴訟の、訴状の援用、引用ですね、その援用に正確性に欠ける点があるとしても真実であると信じたことについて相当性を欠くとはいえないと述べています。この詳細の事実認定のポイントについてはお手元のお配りしたものに書いておりますが、少しご紹介すると植村さん自身も裁判所での本人尋問という手続きの中で、金学順氏は挺対協での聞き取りにおいて、だまされて慰安婦になったと語っていたことを認めています。

また、同じ裁判所での尋問で、特に裁判官からの質問に対して植村さんは次のように答えました。この記事で自分が女子挺身隊の名で戦場に連行され、と書いたのは、韓国で女子挺身隊というふうに呼ばれているところの慰安婦として使いました。法令に基づいて連れていかれた人ではないという認識がありました。

また、判決はこのようにも書いています。慰安婦ないし従軍慰安婦とは太平洋戦争終結前の公娼制度の下で戦地において売春に従事していた女性などの呼称の1つであり、女子挺身勤労令に基づく女子挺身隊と無関係であり、そのことを原告も知っていた。このような事実認定を前提として裁判所は原告が慰安婦と挺身隊が無関係であることを知りながら、あえて金学順氏のことを女子挺身隊の名で日本軍によって戦場に強制連行されたと報じたということを櫻井さんが信じたことについては相当の理由があると判断しました。

名誉毀損訴訟では真実、ないし真実相当性というポイント、論点があります。この真実相当性を判決は認めました。名誉毀損訴訟におけるもう1つの論点は記述に公益目的があるかどうかです。この点はお手元の資料の3ページの下のほうの矢羽根のところを見ていただければ分かるように、見てください。

裁判所はこのように判決しています。本件各櫻井論文の内容およびこれらの論文を記載し、掲載された時期に鑑みれば、本件各記述の主題は慰安婦問題に関する朝日新聞の報道姿勢や、これに関する本件記事Aを執筆した原告を批判する点にあった。慰安婦問題は日韓関係の問題にとどまらず、国連やアメリカ議会などでも取り上げられるような国際的な問題となっている。このような慰安婦問題に関する朝日新聞の報道姿勢や、これに関する本件記事を執筆した原告への批判は公益目的を有すると言うべきである。従って櫻井論文中の記述は植村さんの社会的な評価を低下させるものではあるが、この記述についての違法性は阻却され、故意または過失も否定されるとして、そのほかの点を判断するまでもなく、植村さんの請求は全て棄却するとしたものです。

 

櫻井:ありがとうございました。では次に私の所感を主に3点に絞って申し上げたいと思います。第1にこの慰安婦問題ですけれども、どんな事象であれ慰安婦になった女性たちに対しては、私は心から同情をし、このようなことがこれから二度と起きてはならないと思っています。どんな事象であれ、いまだにこの売春ということが世界各地で起きていることに対して、女性の人権に対する侵害だという憤りは私も強く持っております。このような点において女性の人権はもっとしっかりと守られるべきだと固く信じております。しかしそのことと日本軍が女性たちを強制連行して、性奴隷にしたという間違った報道を許すということはまったく別のことであると考えています。この点について、後ほど第3の点につながりますけれども、朝日新聞と植村さんの責任は大きいと今も思っております。

通訳:分かりました。まずイタリアのKHGですか。TG24。はい、ありがとうございます。あと、ごめんなさい。通訳を入れるのでもう少し切ってお話しいただいてもよろしいですか。

Sky TG24:まず最初のご紹介のところでの発言がありましたけれども、実は私が今日は司会をさせていただくことになっていたんですが、タクシーの事故がありまして今日遅れてしまったことをまずは謝罪させていただきたいと思います。そして司会の方がリビジョニストというふうにご紹介したということ、私がもし司会をしておりましたら、まったく同じご紹介の仕方をしたのではないかというふうに思います。櫻井さんは本当に保守派として知られていて、また日本会議と関係の深い方というふうに認識されているということ、こういう事実があると思います。

私、そうはいってもジャーナリストということで、このプレスクラブ、記者クラブのジャーナリストということで、ぜひ、非常にある意味興味深い経験をしているなというふうに感じます。と申しますのは、きのうは植村さんの記者会見がありまして、そして今日は櫻井さんのお話を聞くという機会があります。かなり解釈が違ったお2人の意見を聞くという、とても興味深い経験だなというふうに感じているんですけれども、ジャーナリストとしてお聞きしますが、ジャーナリストとしてジャーナリストの櫻井さんにお聞きします。

まず最初に櫻井さんは、なぜこの件に関してご自分のストーリーを書かれなかったのか、あるいは語られなかったのかということです。なのでソウルに行ったり、あるいは植村さんにお話を聞いたりということ、あるいは慰安婦の方にお話をしたりとか、そういうことで、ご自分のストーリーというものを自分だったら書くのではないかというふうに思います。

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