三橋TV第48回【移民受け入れが日本を滅ぼす理由】

三橋TV第48回【移民受け入れが日本を滅ぼす理由】

日本の事実上の「移民国家化」

 

 

日本の事実上の「移民国家化」が進められているといってもよいでしょう。受け入れ人数を、5年間でおよそ最大34万人に設定するとの数値が現在のところ上がっています。

一度、外国人労働者を大規模に受け入れてしまえば、西欧の例をみればわかるように簡単に後戻りはできません。

西欧諸国はどの国も移民国家化するなどと明確に決めたわけではないのに、外国人労働者受け入れを1950年代から進めた挙句、結果的に移民国家化してしまいました。

 

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「移民受け入れは、経済成長に寄与する。だから必要だ」というような主張です。

著者は、英国の推進派がこのような主張を裏付けようと都合のいい数値だけを取り上げてきた様子を示します。

一例をあげると、2013年にユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)が公表した「英国に対する移民の財政的影響」という調査結果を、BBCなどの英国のマスコミは広範に報道しました。推進派に都合が良かったからです。

「近年の移民は英国にたくさん税金を納めており、財政改善に大いに貢献した」と報じたのです。調査報告書では、「移民の治める税金は、彼らが受け取る社会保障などの給付金を34%上回っている。他方、移民以外の人々(英国生まれの人々)の治める税金は、受け取る給付金を11%下回っている」ということが強調されました。

つまり、移民は、社会保障などで受け取るよりもはるかに多くの税金を納めており、英国経済に貢献しているというのです。

もちろん、この数値は推進派に都合のいいところだけをつまみ食いしたものでした。
ここで「移民」とは、高学歴の移民であり、とりわけ「欧州経済圏」(EEA:EU、およびアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェイ)からやってきた人々だけを指していました。

この人たちだけを「移民」として取り上げれば、「2001~11年にEEAからやって来た移民は、英国経済に約220億ポンド(約3.2兆円)の貢献を果たした」と推定することができます。

しかし、これはあくまで、「EEA諸国」からの「最近の」移民だけを考慮した場合です。大多数である途上国からの移民を含め、全移民について見てみると、数値は大きく変わります。

UCL自体が、翌2014年に公表した調査結果によると、全移民について見た場合、1995年から2011年にかけての移民は、実際には英国に約1140億ポンド(約16.5兆円)ほどのコストを負わせていました。つまり、治めた税金よりも、受け取る社会保障などの給付金のほうが、1140億ポンドも多かったのです。

マスコミは、こちらの数値については、ほとんど報じませんでした。「移民が英国に1000億ポンド以上の負担を背負わせていた」というような事実は報じられず、多くの人が知ることはなかったのです。

英国のマスコミは、ほとんどがリベラルな政治信条のためか、あるいは財界と結託しているためか、移民受け入れ推進派です。ですので、推進派に都合いい数字だけを、つまみ食い的に報じたのです。

日本でも、同様のことが生じないか私は懸念します。

 

外国人労働者を大量に受け入れようとしているのは、どう考えても、人手不足から生じる賃金上昇や正社員化の流れに歯止めをかけたいからです。そして、グローバルな企業や投資家に有利な条件を整えたいからでしょう。外国人労働者受け入れが、日本人の雇用に影響を及ぼさないなんてことはあり得ません。影響を与えたいからこそ、受け入れようとしているのです。

政治家が、自らに不利になるような事実からは目を逸らし、ぬけぬけとこのような答弁をし、また多くのマスコミもあまり厳しく突っ込まない。すでにそういう状況を日本でもちらほら目にします。

英国など西欧諸国と同じように、日本でも、このままでは外国人労働者や移民の受け入れの負の側面をきちんと検討することなく、ずるずると後戻りできない地点に至ってしまうのではないでしょうか。

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