コロナ恐慌でも財務省は緊縮財政路線を堅持

コロナ恐慌でも財務省は緊縮財政路線を堅持

アメリカの失業保険申請数が、一週間で600万を越える。

 

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)による経済的損害が増大する中、アメリカの失業保険給付の申請件数が、先月中旬からの3週間で合わせて1600万件を超えた。

アメリカでは現在、感染の拡大を防ぐため、ほとんどの企業が閉鎖を余儀なくされている。国民の約95%は何らかのかたちの封鎖状態に置かれている。

米労働省は9日、4月29日から今月4日までの1週間の失業保険の申請件数が660万件以上だったと発表した。

経済を立て直すため、米連邦準備制度理事会(FRB)は9日、2兆3000億ドル(約250兆円)の緊急資金供給策を行うと明らかにした。

アメリカでは新型ウイルスの感染者数が43万人を超える中、経済危機が深刻になっている。

ユージーン・スカリア労働長官は、「今日発表した報告書でも、新型コロナウイルスの感染拡大のスピードを遅らせるため、アメリカの労働者とその家族が個人的犠牲を払っていることが表れている」と述べた。

 

 

 

国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエヴァ専務理事は4月9日、2020年の世界経済の成長率は「急激なマイナス」となり、1930年代の大恐慌以来、最悪の経済危機に直面するとの見通しを示しました。
「実際、我々は、世界恐慌以降で最悪の経済の低迷に見舞われると予測している(ゲオルギエヴァ専務理事)」
 
 そんな中、我が国は相変わらず頑なに政府が緊縮財政路線を堅持しており、このままでは国民は手足を縛られたまま恐慌の海に放り込まれることになります。というか、なっています。
 閣議決定された第一次補正予算(厳密には令和二年補正予算、ですが、どうせすぐに「第一次」と呼ばれるようになります)は、わずか16.8兆円。
 しかも、16.8兆円の新規国債発行の中身を見ると、
 
『Ⅲ.次の段階としての官⺠を挙げた経済活動の回復
1.観光・運輸業、飲⾷業、イベント等に対する⽀援 【1兆6,794億円】
 • 観光・運輸業、飲⾷業、イベント・エンターテインメント事業等を対象に、 感染症流⾏が収束した後の⼀定期間に限定して、官⺠⼀体型の消費喚起キャ ンペーンを実施。
 2.地域経済の活性化 【25億円】 • 地域産品・サービスの磨き上げや、地域へのキャッシュレス導入等を支援』
 
 と、新型コロナウイルス感染症の疫病が「収束した後」の予算が約1.7兆円、含まれているのです。(というわけで、実は1.7兆円分は「真水」に含み難い。GSも同じ意見なのでしょう)
 現時点で疫病に負け続けている日本政府が、「勝利の後」の景気対策を予算化する。率直にって、「狂気」としか表現のしようがありません。
 
 しかも、16.8兆円の財政赤字(新規国債発行)額を当初は隠蔽し、「事業規模108兆円」のみで報じさせたということは、政府関係者は、
「16.8兆円では額が少なすぎ、国民の顰蹙を買う」
 ことを理解していたことになります。自分に「非がある」という意識がなければ、隠蔽工作をする必要はありません。
 もっとも、興味深いのは、16.8兆円と極小規模とはいえ、「財政赤字の拡大」であることは間違いないのです。財政赤字が拡大しているにも関わらず、財政破綻論者からの、
「このままでは、日本は国の借金で破綻する~っ!」
 といった、例のレトリックがそれほど聞こえてこない(皆無ではない)。
 逆に、
「日本国債は100%日本円建てで、日銀が買い取れが債務の返済負担・利払い負担が消えるため、財政破綻はあり得ない。同時に、ハイパーインフレーションもあり得ない」
 という「財務省が認めた真実」が急速に広まりつつあります。
 
 

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