トランプ外交

トランプは孤立主義者ではない

トランプ外交に「一貫性がない」という分析が大間違いである   篠田 英朗  東京外国語大学教授  国際関係論、平和構築   トランプ政権の政策的態度を「孤立主義」という言葉で描写しようとするコメンテーターが多いように感じる。 トランプはグローバル化に取り残された白人層を支持基盤としたグローバル化に抵抗している大統領だ、というイメージが、「孤立主義」とか「保護貿易」といった言葉のイメージに合致するのだろう。 しかしこれらの言葉を使ってトランプ政権の政策的方向性を描写するのは、あまり妥当なこととは思えない。むしろこれらの概念は、かえってわれわれのトランプ政権の理解を阻害するように思われる。 「孤立主義」という日本の学校教科書などで19世紀アメリカ外交の描写として使われている概念は、20世紀になってから用いられるようになった概念であり、しかも極めて「ヨーロッパ中心主義的」な概念である。 第一次世界大戦の後、議会の反対で国際連盟に加入しなかったアメリカの外交政策を「孤立主義」と形容したのは、失望したヨーロッパ人たちであった。アメリカ人が「孤立」した状態を望んだということでは […]